この記事の要約

今朝のダンス練習で、いつもとは違うスローで大人っぽい曲調の振り付けに挑戦した際のお話。笑顔を封印して踊ることに戸惑いを感じつつも、撮影した動画を見返すと不思議な魅力に気づきます。すぐに好きか嫌いかを決めず、違和感と好奇心の間で揺れる気持ちをそのまま楽しんでみる心境の変化を綴ります。

鏡の前で止まった、見慣れないステップ

朝5時。薄暗い部屋の中でアラームを止め、大きく深呼吸をひとつ。窓の外はまだ薄暗く、街も静まり返っているこの時間が、私にとって一番集中できる特別なひとときです。ストレッチマットを敷き、足首や手首を丁寧に回していく。関節がポキポキと小さな音を立てるのを聞きながら、少しずつ体を目覚めさせていく。ここまでは、毎朝欠かさない私の大切なルーティン。けれど、今朝は少しだけ気分を変えて、スピーカーに繋いだスマートフォンから、重低音が響くスローテンポなR&Bのトラックを流してみました。

りん本人と「重低音のビートと、鏡の向こうで見つけた見慣れない私」の内容を表すブログ挿絵
りん本人の雰囲気と記事の情景

いつもなら、アップテンポなポップスに合わせて元気よくジャンプしたり、腕を大きく広げたりして、体中からエネルギーを放出するような練習から始めます。でも、この日はあえて違うジャンルの振り付け課題を選んでみたのです。求められるのは、動きのタメ、腰の深い落とし方、そして指先の繊細な使い方。力強く弾けるのではなく、水の中にゆっくりと沈み込むような滑らかな動きが連続します。

防音マットの上に立ち、音楽に合わせて体を動かしてみるものの、どうにもしっくりきません。足の運び方に意識を向けると手の動きがおろそかになり、指先に集中すると今度はリズムに乗り遅れてしまう。そして何より、鏡に映る自分の姿を見ると、いつもなら自然と弾ける笑顔が、曲の重たい雰囲気に合わなくてなんだかひどく浮いて見えます。笑顔をグッと封印し、少しアンニュイでクールな表情を作ろうとするのですが、頬の筋肉がピクピクして落ち着きません。鏡の向こうにいるのは、まるで借り物の服を着て戸惑っているような、見慣れない自分でした。

笑顔を封印する時間の戸惑い

なぜこんなにも居心地が悪いのか。踊りながらずっと考えていたのですが、それはきっと、私が「笑顔」をアイドルとしての、そして自分自身の最大の武器だと信じてきたからなのだと思います。

地元・北海道での日々を思い出すと、いつもそこには寒さと戦いながら踊る私の姿があります。窓の外は一面の雪景色で、ストーブをつけていても足元から冷気が這い上がってくるような厳しい冬の朝。白い息を吐きながら、かじかむ指先をこすり合わせて、それでも音楽が鳴り始めれば全力でステップを踏む。そんな中でダンスの練習をするとき、私は決まって鏡に向かってとびきりの笑顔を作っていました。

「笑ってる人のところに夢は来る」。お母さんがいつもかけてくれたその言葉は、私にとって一番のお守りです。凍えそうな日も、オーディションに落ちて悔しくて泣きそうになった日も、とにかく笑顔で踊り続けることで、自分自身を奮い立たせてきました。そして、審査員の方から「君の笑顔には人を元気にする力がある」と励まされた瞬間、そのお守りは確固たる自信に変わったのです。

今、私を応援してくれているファンのみんなも、私の明るさや笑顔から元気をもらっていると言ってくれます。「りんちゃんの笑顔を見ると、今日も一日頑張ろうって思えるよ」。そんな言葉をもらうたびに、私が目指してきた道は間違っていなかったんだと嬉しくなります。だからこそ、その笑顔を隠してクールに振る舞う表現に対して、「これは私ではないのでは?」という強いブレーキがかかります。自分らしさが薄れていくような気がして、ステップを踏む足が何度も止まりそうになりました。

正解を出さずに寝かせておく面白さ

1時間ほどの練習を終え、じんわりとかいた汗をタオルで拭きながら、スマートフォンの画面をタップします。録画しておいた自分のダンス動画を再生し、客観的に動きをチェックする時間。画面の中の私は、やはりどこかぎこちなく、動きのつなぎ目が硬くて、無理に大人ぶっているような違和感が拭えません。いつもなら画面の向こうまで届くようなエネルギーを放っているはずなのに、このときの私はなんだか小さくまとまって見えます。

りん本人と「重低音のビートと、鏡の向こうで見つけた見慣れない私」の内容を表すブログ挿絵
りんが記事の中心的な場面を振り返る一枚

「うーん、やっぱり私には向いてないかな」。そう呟いて再生バーをドラッグし、動画を閉じようとしたその瞬間。ビートの裏でスッと視線を外した、ほんの数秒のカットで、思わず手が止まりました。

そこで静止した自分の表情に、なぜか釘付けになりました。いつもの元気いっぱいの私とは全く違う、静かで、どこか影のある表情。もちろん、プロのダンサーさんのような洗練された動きには程遠いですし、決して完璧ではありません。今の時点で「これがこれからの私のスタイルです!」と胸を張れるものでもない。でも、なんだかとても魅力的で、もっと見ていたいと思わせる不思議な引力がありました。私の中にも、こんなふうに静かな表現を引き出せる余地があったんだという驚きが、胸の奥で小さな好奇心に変わっていくのを感じました。

違和感と好奇心のあいだで

すぐに「好き」か「嫌い」か、「向いている」か「向いていない」かを決める必要は、きっとないのかもしれません。この朝の練習を通じて、私の中にいくつかの小さな気づきが生まれました。

  • すぐに白黒の答えを出さず、曖昧なまま寝かせておく面白さ
  • 違和感は、自分が未知の領域に踏み出しているという証拠であること
  • 苦味を知ることで、いつもの笑顔がさらに深く輝くかもしれないこと

ずっと笑顔で走り続けてきた私にとって、この見慣れない表現は、今はまだ少し苦いスパイスのようなもの。でも、明るくて前向きな私というベースがあるからこそ、ふとした瞬間に見せるクールな表情が、より一層の深みを生み出してくれる。そう考えると、戸惑いや違和感すらも、これから成長していくための大切な種のように思えてきます。

ファンのみんなにこの姿を見せる日が来るのかは、まだわかりません。もしかしたら、ずっと私だけの特別な練習のままかもしれない。それでも、明日の朝も、もう一度あの重低音を部屋に響かせてみようと思います。鏡の前の自分とじっくり向き合いながら、白黒つけない曖昧な時間の中で、少しずつ変化していく自分の姿を、もう少しだけ観察してみるつもりです。

りん

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りん

明るく天真爛漫。ファンを大切にし、常に前向き。夢に向かって努力する姿勢を見せ、周りを元気にする。

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