この記事の要約
朝練のあと、SNS用の写真を撮ろうとしてタイマー設定を間違え、連写モードで何十枚も撮影してしまうという小さな失敗をしました。慌てて消そうとしたカメラロールの中で見つけたのは、けたたましい連写音に驚いて大笑いしているブレた私。完璧な笑顔を作ろうと力んでいた最近の私に、お母さんの昔の言葉と、失敗を笑い飛ばす明るさの大切さを思い出させてくれた、予定外の朝の記録です。
タイマー設定の勘違いと、増えすぎたカメラロール
朝5時のしんと冷えた空気を胸いっぱいに吸い込んで、今日もいつものようにストレッチから一日をスタートさせました。まだ街が眠っているこの時間帯は、私にとって一番大切な魔法の時間です。薄暗い部屋に少しずつ光が差し込んでくるのを肌で感じながら、体をゆっくりと伸ばします。お母さんと一緒にミシンを踏んで作った、黄色のラインが入ったお気に入りのレッスン着。何度も洗濯して少し生地が柔らかくなってきたこの服を着ると、「よし、やるぞ!」と気合いが入ります。

一通り体を動かしてポカポカしてきた頃、今日のSNS投稿用に、新しいステップを取り入れたダンス動画のサムネイルを撮影しようと思い立ちました。最近はファンの方々から「りんちゃんのダンス、キレが良くなったね!」という嬉しいコメントをいただくことが増えて、もっとかっこいい姿を見せたいと張り切っていたのです。スマートフォンを窓辺のスタンドにしっかりセットして、画面の明るさを調整し、準備は万端です。
朝陽がちょうどいい角度で差し込むタイミングを狙って、とびきりのアイドルスマイルを作ります。指先まで意識を集中させて、心の中で3、2、1とカウントダウン。バッチリのタイミングでポーズを決めた瞬間、「カシャカシャカシャカシャ!」と、けたたましい連続音が部屋中に響き渡りました。
10秒タイマーに設定したつもりが、バーストモード、つまり連写機能になっていたみたいです。慌てて画面をタップして止めようとしましたが、時すでに遅し。確認してみると、カメラロールには一瞬の間に撮影された何十枚もの写真がずらりと並んでいました。予定外の出来事に、思わず「やっちゃった!」と大きな声に出してしまいました。
ブレた輪郭に写っていた、作り物じゃない笑い顔
スマートフォンの容量を圧迫してしまうから早く消さなきゃと、選択ボタンを押しながら一枚ずつ確認作業を始めます。最初の数枚は、一生懸命キメ顔を作ってカメラを見つめている私。でも、途中からけたたましい連写音に驚いて目を丸くしている顔に変わり、最後の方はもう、耐えきれずに吹き出している顔のオンパレードでした。
アイドルとしては絶対に見せられないような、目を細めて口を大きく開けた大笑いの瞬間。手も動いてしまって輪郭はブレブレで、画面全体が躍動感に溢れています。普段なら迷わずゴミ箱アイコンを押してなかったことにするはずなのに、スクロールする指がふと止まりました。
完璧なポーズを決めている最初の写真よりも、失敗して大笑いしている最後の写真の方が、なんだかずっと魅力的に見えたからです。画面の中の私は、心から楽しそうに笑っていて、見ている私までつられて笑ってしまいそうになるくらい、ポジティブなエネルギーに満ちていました。
毎日のようにSNSを更新していると、無意識のうちに「可愛い私」や「頑張っている私」の正解を探してしまうことがあります。少しでも良く見せようと角度を気にしたり、フィルターを選んだり。でも、キメ顔の私よりも、このブレた私の方が、本当の私らしいかもしれない。そんな不思議な納得感が生まれました。
雪降る町のストーブ前で教えてもらったこと
いつからか、カメラの前では「正解の笑顔」を作らなきゃと、無意識のうちに力が入っていたのかもしれません。応援してくれるファンの方々に元気になってもらいたいからこそ、いつでもキラキラした完璧な私でいようと、鏡の前で何度も口角を上げる練習をしてきました。高校1年で札幌のオーディションに落ちた時、審査員の方に「君の笑顔には人を元気にする力がある」と言われたことが、私にとっての大きな道しるべになっていたからです。

でも、このブレた写真を見つめていると、北海道の実家で過ごした冬の日々が頭に浮かびます。外は猛吹雪で、窓ガラスがガタガタと鳴るような夜。ストーブの前に家族みんなで集まって、みかんを食べながらテレビのバラエティ番組を見て、お腹を抱えて笑い転げていた時間。地方には夢への道がないと笑われたこともあったけれど、あのあたたかい部屋の中には、根拠のない希望がいつも満ちていました。
「笑ってる人のところに夢は来るんだよ」と、お母さんはよく言っていました。その言葉が指していたのは、きっと鏡の前で練習した綺麗な微笑みだけではないはずです。失敗しても、転んでも、予定外のことが起きても、それを笑い飛ばせるような明るさ。それこそが、夢を引き寄せる一番の力になる。そんな当たり前のことを、このおかしな写真が思い出させてくれました。
予定外のシャッター音が連れてきた、新しいリズム
結局、何十枚もあった連写写真は一枚も消すことができませんでした。それどころか、一番ブレていて一番大笑いしている一枚を、今日のSNSにアップしてみようかなと企んでいます。「タイマー間違えちゃった!」という素直な言葉と一緒に投稿したら、きっとみんなも笑ってくれるはず。完璧な私じゃなくても、この楽しさが伝わればいいなと思います。
予定通りにいかないことや、ちょっとした失敗は、毎日の中で必ず起こります。でも、そのたびに落ち込んだり焦ったりするのではなく、そこから生まれる予期せぬリズムを丸ごと楽しめるようになりたい。失敗をなかったことにするのではなく、おもしろいハプニングに変換してしまうのが、私流の魔法です。
今日は午後から、ずっと行きたかったカフェで新作のフルーツタルトを食べる予定です。もし売り切れてしまっていても、今の私なら「じゃあ、隣のパン屋さんでメロンパンを買って公園で食べよう!」と、すぐに楽しい計画に変更できそうです。どんなハプニングも、新しい発見のチャンスに変えていける気がします。
スマートフォンをポケットにしまい、もう一度音楽をかけます。さっきまで少し緊張していた肩の力がすっと抜けて、いつもよりステップが軽やかに踏めるような気がしました。完璧じゃないけれど、これが今の私。さあ、今日もとびきりの笑顔で、新しい一日を始めます。
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